終活で持ち家を遺すか売るか│子や孫を困らせないための”今の判断”

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「愛着のあるこの家、そのまま子供たちに遺せば喜ばれるだろうか」
「でも、正直なところ、迷惑をかけてしまう気もして…」


終活について考え始めたとき、多くの方が最も悩まれるのが「所有している不動産をどうするか」というテーマです。長年住み続けた我が家、親から受け継いだ実家、投資用として持っている土地──。ひと言で不動産と言っても、その一つひとつに人生の時間と思い出が詰まっています。

それだけに、「売る」という決断は簡単ではありません。
「もう少し先で考えよう」「元気なうちは今のままでいい」──そう先送りにされている方が、実はとても多いのです。

ですが、ここでぜひ知っておいていただきたい事実があります。
現在、家庭裁判所での「相続放棄」は年間28万件を超え、過去最多を更新し続けています。 その大きな理由のひとつが、実家不動産の維持費・固定資産税の負担から逃れたいというものです。

つまり──「愛着のある我が家を遺しても、子供や孫には受け取ってもらえない」時代が、すでに現実として来ているのです。

この記事では、 終活を意識される方が今まさに向き合っている 「終活における不動産の判断」について、 公的データに基づいた事実と、
ご家族に負担をかけないための現実的な選択肢を、 空き家買取の専門スタッフがわかりやすくお伝えします。

「相続放棄」は今、過去最多の28万件超──あなたの家は本当に遺せますか

まずは、この事実からお伝えします。

相続放棄件数の推移 相続放棄件数の推移(全国の家庭裁判所受理件数) 出典:最高裁判所「司法統計年報」 30万件 20万件 10万件 0 2016 19.8万 2019 22.5万 2020 23.5万 2021 25.2万 2022 26.0万 2023 28.3万 過去最多 受理件数 この7年間で件数は約1.4倍に増加
相続放棄は年々増加し、2023年は過去最多の28万件超に

最高裁判所の司法統計によると、相続放棄の受理件数は2023年に過去最多の28万2,785件を記録しています。この数字がどれほどの規模かというと、同じ年の日本の死亡数(約158万人)と比較すると、おおよそ相続の6件に1件は相続放棄されているという計算になります。

⚠ 相続放棄が増えている大きな理由

報道でも指摘されている通り、増加の背景にあるのは「実家不動産の維持費・固定資産税の負担を避けたい」という事情です。つまり、遺す側が「立派な資産」と思っている家が、受け取る側から見ると「負担」と感じられてしまうケースが増えているのです。

もちろん、ご家族が本当に住みたい・受け継ぎたいと思ってくれる家であれば、遺すことは素晴らしい選択です。
ただ、「うちの子供たちは、本当にこの家を欲しがっているだろうか」──この問いに、一度立ち止まって向き合ってみることが、終活における不動産判断の出発点になります。

家の価値は、何もしなくても年々確実に下がっていく

「まだ元気だから、慌てなくても大丈夫」──そう思っていらっしゃる方に、もう一つお伝えしたいのが「家の価値は時間とともに下がる」という事実です。

木造住宅の資産価値推移 木造住宅の資産価値の目安(築年数別) ※法定耐用年数(木造22年)を基準にした一般的な傾向 100% 75% 50% 25% 0 新築 築10年 築22年 築40年 100% 約70% 建物価値 ほぼゼロ 土地のみ 法定耐用年数 (木造) 建物価値 築年数
木造住宅は法定耐用年数(22年)を過ぎると、建物価値はほぼゼロに近づきます

税法上、木造住宅の法定耐用年数は22年と定められており、この期間を過ぎると建物としての評価額はほぼゼロに近づきます。もちろん実際の売却価格はこれと完全にイコールではありませんが、傾向として築年数が古くなるほど売れにくく・安くなるのは変わりません。

「今」の家の価値は「10年後」の価値より確実に高い

特に地方や郊外の物件では、この10年で数百万円単位の価値下落が起こることも珍しくありません。「もう少し様子を見よう」は、結果的にご家族が受け取る資産を減らしていくことに繋がります。

複雑な事情の不動産を遺すと、家族はこう困る

「事情のある不動産」──例えば、再建築不可、共有名義、遠方物件、事故物件、農地・山林など、扱いが難しい不動産は、遺されたご家族にとって想像以上の負担になります。

遺産分割で兄弟姉妹が揉める

不動産は現金と違って、きれいに分けることができません。「兄が実家を継ぐか」「売却して山分けか」「共有名義にするか」──この3択のどれを選んでも、大なり小なり火種になります。

特に共有名義にしてしまうと、売却や賃貸のたびに全員の同意が必要になり、後に「相続の相続」が発生した時には、まったく面識のない親族と共有関係になるケースも珍しくありません。

相続登記の義務化で放置ができない

2024年4月から相続登記が義務化されました。相続を知ってから3年以内に登記をしなければ、10万円以下の過料が科される可能性があります。

これまでは「面倒だから、とりあえず放置」ができましたが、今後はご家族が必ず「登記するか、相続放棄するか」を選ばなければならなくなりました。

遠方物件は管理コストが子の負担に

お子さん・お孫さんの住まいから離れた場所にある不動産は、管理のたびに交通費と時間がかかります。年に数回の草取り、換気、近隣対応、固定資産税の納付──「毎年の帰省が、家の管理のためになってしまう」というご家庭も少なくありません。

認知症になると、ご自身の意思では売却できなくなる

そして、終活で最も見落とされがちなのが、この認知症の問題です。

厚生労働省の推計によると、2025年には65歳以上のおよそ5人に1人が認知症になるとされています。決して他人事ではありません。

認知症で不動産が凍結される仕組み 認知症になると、なぜ不動産が売却できないのか 判断能力があるうちは 売却・贈与・遺言 すべて自由に選べる 選択肢◎ 認知症 を発症 判断能力を失うと 🔒 売買契約は無効 家族でも売却できない 実質「資産凍結」 厚生労働省:2025年には65歳以上の約5人に1人が認知症になると推計
不動産の売却契約には「判断能力」が必要。認知症を発症すると、原則として売買できなくなります

認知症などによって判断能力を失うと、法律上、不動産の売買契約が成立しなくなります(民法第7条)。ご家族が代理で売却しようとしても、家庭裁判所で「成年後見人」を選任してもらう必要があり、手続きに数ヶ月〜1年、費用も数十万円かかります。しかも、後見人が付いても「本人のためになる」と裁判所が認めた場合しか売却は許可されません。

⚠ 認知症は「昨日まで元気だった」から突然始まる

認知症は少しずつ進行することも、脳梗塞などをきっかけに突然発症することもあります。「元気なうちに判断しておく」──これが、ご自身とご家族の未来を守る最も確実な方法です。

「今動くか、後回しにするか」で選べる選択肢がまったく違う

ここまでの内容をまとめると、次のような構図になります。

今動く場合と後回しにした場合の比較 「今」と「後回し」の選択肢の違い 今、判断する場合 売却・贈与・遺言から選べる 売却で現金化できる 老後資金として活用可能 家族と話し合って決められる 相続時の負担を家族に残さない ご自身の意思で決められる 後回しにした場合 認知症で売却できなくなる 築年数増で価値が下がる 相続で家族が揉める可能性 相続放棄されるかも 家族が長年の負担を背負う 選択肢が急速に減っていく
時間が経つほど、ご自身で決められる選択肢は確実に減っていきます

大切なのは、今なら「売却・贈与・遺言・そのまま遺す」のどれでも選べる、という事実です。
後回しにすればするほど、選べる道は狭くなっていきます。

こんな方は、一度お話をお聞かせください

以下のいずれかに当てはまる方は、終活における不動産の判断を「今」検討されることをおすすめします。

  • 築年数の経った住宅を所有している
  • 誰も住む予定のない実家・別宅がある
  • お子さん・お孫さんが遠方に住んでいる
  • 相続人が複数いて、揉めないか心配
  • 再建築不可・共有名義など事情のある不動産を持っている
  • 「家族に負担をかけたくない」と感じている

ラクウルでは、終活世代のお客様からのご相談を数多くお受けしてきました。無理に売却をお勧めすることはありません。まずは「今、この不動産にどんな選択肢があるのか」を知っていただくためのご相談から、お気軽にお声がけください。

まとめ:早めの決断こそが、ご家族への贈り物になる

ここまでお読みいただきありがとうございます。最後に、この記事でお伝えした内容を改めて整理します。

  • 相続放棄は年間28万件超と過去最多。実家不動産の負担が主な理由
  • 木造住宅は築22年で建物価値がほぼゼロに近づく
  • 複雑な事情の不動産は、遺されたご家族が揉める・登記義務・管理コストで苦労する
  • 認知症になると、ご自身の意思では売却できなくなる(2025年、5人に1人が認知症予測)
  • 今なら選べる選択肢は多数、後回しにするほど選択肢は確実に減っていく

「愛着ある家を手放すのは寂しい」──そのお気持ちは、私たちも十分に理解しています。
ですが、ご自身の元気なうちに整理をつけておくことこそが、遺されるご家族への何よりの贈り物になります。

お子さん・お孫さんに「あの家をどうしよう…」と悩ませてしまう未来ではなく、
「元気なうちにきちんと考えて、決めておいてくれたんだね」と感謝される未来を、選ぶことができます。

「まずは今の家の価値を知りたい」
「売る・貸す・遺す、どれが良いか整理したい」
「相続の相談から始めたい」

──そのどの段階でも構いません。
ラクウルでは、終活を考え始めた方のご相談を専門スタッフが丁寧にお伺いいたします。築古物件、遠方物件、家財がそのまま残っている物件も、まずはご相談ください。あなたとご家族にとって最善の方法をご提案いたします。

 

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この記事のまとめQ&A

Q
相続放棄はそんなに多いのですか?
A
最高裁判所の司法統計によれば、2023年(令和5年)の相続放棄受理件数は28万2,785件と過去最多を記録しています。2016年の約19.8万件から7年で約1.4倍に増加。同年の死亡数(約158万人)と比較すると、おおよそ相続の6件に1件が放棄されている計算になります。増加の主な理由は「実家不動産の維持費・固定資産税の負担」を避けたいという意向とされています。
Q
木造住宅の価値はどのように下がっていきますか?
A
税法上、木造住宅の法定耐用年数は22年と定められており、この期間を過ぎると税務上の建物評価額はほぼゼロに近づきます。実際の売却価格は立地や状態、市況によって変動しますが、傾向として築年数が古くなるほど売却しにくく、価格も下がっていくことは変わりません。特に地方や郊外の物件では、10年の放置で数百万円単位の価値下落が起こる可能性もあります。
Q
認知症になると本当に不動産の売却ができなくなりますか?
A
はい。不動産の売買契約が有効に成立するには、契約者本人に判断能力があることが必要です(民法第7条)。認知症などにより判断能力を失うと、原則として売買契約は無効となります。ご家族が代理で売却するためには、家庭裁判所で「成年後見人」を選任する必要があり、手続きに数ヶ月〜1年、費用も数十万円かかります。後見人が付いても、裁判所が「本人のためになる」と認めた場合のみ売却が許可されるため、自由な処分は困難になります。厚生労働省は2025年に65歳以上の約5人に1人が認知症になると推計しています。
Q
相続登記の義務化とはどんな制度ですか?
A
2024年4月から、不動産の相続登記が義務化されました。相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を行わなかった場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。従来は「面倒だから放置」も可能でしたが、義務化以降はご家族が必ず「登記するか、相続放棄するか」を選ばなければならず、放置が許されない状況になっています。
Q
築年数が古くて価値がなさそうな家でも買取してもらえますか?
A
はい、ラクウルでは築40年・50年を超える築古物件、再建築不可、共有名義、事故物件、遠方物件、家財がそのまま残っている物件など、他社で断られるような不動産も多数買い取ってきた実績があります。「もう売れないだろう」と諦める前に、まずは現状をお聞かせください。無理に売却をお勧めすることはありませんので、まずは「今、この不動産にどんな選択肢があるか」を知るためのご相談としてお気軽にご連絡ください。
Q
売却するとどのくらいの時間がかかりますか?
A
一般的な仲介による売却では、買主が見つかるまで数ヶ月から1年以上かかることもあります。一方、専門業者による買取では、ご相談から現金化まで最短数週間で完結するケースも多くあります。「早めに整理をつけておきたい」というご希望の方には、買取という選択肢がスピード面で適しています。物件の状態や地域によって異なりますので、まずはお気軽にご相談ください。

※当記事は、空き家・訳あり不動産の買取相談を多数扱ってきた専門スタッフの知見をもとに作成しています。